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北方領土、友愛の物語 露の脚本家、友人の遺志継ぐ 実話もとに書籍化「今こそ必要」 

混住時代 日本人漁師がソ連の少年少女救助

 戦後しばらくの間、日本人とソ連人が北方領土で混住した時代、歯舞群島・志発(しぼつ)島で海難事故が起き、箱舟で流されたソ連人少年少女を命がけで救助した日本人漁師がいた。その実話を中心に、混住時代の暮らしぶりを描いたノンフィクション「舟 北方領土で起きた日本人とロシア人の物語」(皓星(こうせい)社、税抜き2300円)が7月に発行される。【本間浩昭】

 旧ソ連軍の北方領土侵攻から約2年が経過した1947年秋、大陸から移住して来た10歳前後の少年少女4人と犬1匹が志発島相泊の海岸で、魚箱で造った箱舟で遊んでいて流された。この日は日本人が古里の島を追われる「強制送還の日」でもあった。捜索が行き詰まり、天候が悪化する中、引き揚げ船に乗る予定だった日本人漁師が、一緒に引き揚げるはずだった家族と離ればなれになることを覚悟で救助に向かう実話を軸にストーリー…(毎日新聞デジタル2024/6/29)

6月27日、北方四島とのビザなし交流の玄関口でもある根室市の道立北方四島交流センターで「プレスカンファレンス」(記者懇談会)が開催され、著者であるロシア人の脚本家マイケル・ヤング氏(オンライン参加)と、翻訳した同志社大学講師の樫本真奈美さんが物語「舟」に込めた思いや今後の展開への期待を語った。