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「生活の証し消え、とにかく悲しい」択捉の暮らし伝える校舎焼失 日ソの子どもが使用 学籍・お経に写し持ち帰る 1938年建設の旧国民学校 惜しむ声

北方領土択捉島の中心地・紗那(しゃな)(ロシア名・クリリスク)で、第2次世界大戦前の1938(昭和13)年に日本人の手で建設された旧紗那国民学校の建物が焼けた。北方領土を実効支配するロシア・サハリン州などのメディアが伝えた。旧ソ連軍による択捉島占領後の一時期、日本とソ連の子どもたちが同じ校舎で学び、校長が在校生名簿をひそかにお経に筆写して本土に持ち帰るなど、北方領土に暮らした日本人の記憶を伝える貴重な歴史的建築物だっただけに、焼失を惜しむ声が強く出ている。(朝日新聞北海道版2023/2/4前根室支局長・大野正美)