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北方領土 洋上慰霊8月28日から 9月末まで6回 悪天時、翌日を予備日に

 【根室】千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)は、根室港発着の「洋上慰霊」について、本年度は天候が安定しやすい秋口の8月28日~9月30日に計6回実施すると元島民らに通知した。出港は昨年より4回少ないが、1回の参加上限を23人増の65人にし、全体の上限は昨年より30人減の計390人とした。悪天候で出港できない場合は予定日の翌日に出港できるよう予備日を設ける。(北海道新聞釧路根室版2023/7/12)

 いずれも日ロ中間ラインの手前で船上から島に手を合わせる。2コースのうち納沙布岬沖から歯舞群島水晶島沖に近づく歯舞群島コース(8月28日、9月2、7日)と、標津沖から国後島ハッチャス沖に近づく国後島コース(9月14、21、30日)の二つ。いずれも根室港発着で、ビザなし渡航で使用しているチャーター船「えとぴりか」に乗る。

 新型コロナウイルス対策で、昨年は1回の乗船者数を42人としたが、今年は65人まで乗船が可能になる。昨年は7~8月に計10回行ったうち、天候不順で2回出港せず、1回は途中で引き返した。今年は悪天候で出港できない場合は翌日の予備日に順延できるようにし、予備日も荒天の時は根室港内に停泊する船内で慰霊式を行う。

 今年は高齢などで自力での移動が困難な根室管内4町の元島民らをバスで根室市内へ送迎。平均年齢が87・5歳に達した元島民が参加しやすいよう配慮した。

 対象は、昨年同様元島民や2~4世の後継者とその配偶者ら。千島連盟根室支部の角鹿泰司支部長(86)は「元島民だけでなく、若い人に一人でも多く参加してもらい、領土問題を考えるきっかけにしてほしい」と語った。(川口大地)