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北方領土・洋上慰霊を独自に実施へ 千島連盟別海町支部と後継者の会

 【別海】千島歯舞諸島居住者連盟別海町支部と同後継者の会の合同通常総会が開かれ、独自の北方領土・洋上慰霊を10月7日に実施することを含む2023年度事業計画などを決めた。(北海道新聞根室版2023/5/16)

 13日に町交流館ぷらとで開催した。独自の洋上慰霊は21年10月以来2度目となる。対象は支部会員と同行者(元島民の配偶者、子、中学生以上の孫)。尾岱沼漁港を午前11時半に出港し、日ロ中間ライン付近を往復して午後1時半に帰港する予定。金額は未定だが、参加者に若干の自己負担がある。事業計画にはこのほか、本籍を北方領土に移す運動の推進も盛り込んだ。

 来賓を含む約20人が出席し、同連盟の脇紀美夫理事長はあいさつで「残念ながら今年も北方領土墓参や自由訪問が実施できる状況ではない。それを想定しながら(道などと)洋上慰霊の準備をしていかなくてはならない」と述べた。

 4月1日現在で支部会員は157人で、うち元島民は39人。役員改選が行われ、臼田誠治支部長と、後継者の会の大橋丈晴会長は再任した。任期は25年3月末まで。(実松充洋)

「活動開始時より最悪の状況」 根室で元島民後継者の「かけはしの会」が定期総会

 【根室】「千島歯舞諸島居住者連盟根室支部」の元島民後継者でつくる「かけはしの会」(法月信幸会長、87人)は12日、根室市の千島会館で定期総会を開いた。本山雅士副会長はあいさつで、ロシア最高検察庁が千島連盟を望ましくない団体に指定したことに触れ「(会の活動の)スタート地点より後退したような最悪の状況だ」と語るなど反発の声が出た。本年度事業では若者への啓発活動の内容などを決めた。(北海道新聞根室版2023/5/16)

 約30人が参加。ロシア側による指定に関連し、来賓出席した千島連盟根室支部の角鹿泰司支部長は「墓参もかなわない中、年老いた元島民やその家族にとっては痛恨の極み。どんな苦労があってもロシアから領土を取り戻す」と語った。

 総会では役員改選で、法月会長を再任した。本年度の事業として元島民の体験談を漫画化する事業を継続するほか、新型コロナウイルスの感染拡大前に実施していた船上で若者に領土問題について伝える「北方領土青少年洋上セミナー」(7月)再開などの計画を決めた。(先川ひとみ)

支部長代理を新設 千島連盟標津支部

 【標津】千島歯舞諸島居住者連盟標津支部(福沢英雄支部長、99人)は2023年度通常総会を開き、約20人が出席した。後継者の会と漁協と商工会の両青年部の合同で、慰霊行事を実施することを盛り込んだ事業計画などを決めた。(北海道新聞根室版2023/5/16)

 14日に町文化ホールで実施。福沢支部長は「対面での総会は3年ぶり。領土問題は暗いトンネルの中を走り続けている状況なので、皆さんの知恵をお貸しください」とあいさつした。

 規約改正を行い、2人だった副支部長を3人体制とし、新たに支部長代理を1人置くことを決めた。役員会で小野瀬稔之副支部長を代理に任命。遠方への出張などの際に支部長の都合がつかないときに、代理として任務を遂行できる。役員改選で福沢支部長は再任。任期は5月14日から25年の通常総会まで。(森朱里)