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日ソ激戦の島、北クリルの占守島に野外博物館をつくる--トルトネフ副首相が表明

北クリルのシュムシュ島(占守島)に野外博物館をつくりたい--極東連邦管区大統領全権代表のユーリ・トルトネフ副首相は6日の記者会見で語った。「今のところ私の願望だが、シュムシュ島に野外博物館を開設したいと思っている。第二次大戦で最後の血なまぐさい戦いが行われた場所だ。島全体が要塞で1万2,000人以上と推定される日本軍が陣取っていたが、ソ連軍は4日間で打ち負かした。島には当時の戦闘機をはじめ、壊れた軍事装備が散らばっている。それらは草で覆われ、歴史から静かに消えつつある」と述べた。トルトネフ副首相は「歴史に対するこの態度は間違っている。このような歴史の瞬間は草で覆われてはならず、錆びて時間とともに崩れ去ってはならない。勝利の記憶を永続させる必要がある」と続けた。シュムシュ島に博物館をつくるには、それほど金はかからないという。「極東開発プログラムで資金を見つけられるといいが、まずはサハリン州のリマレンコ知事に博物館のコンセプトを作成するよう依頼する」と述べた。「この歴史のページは、ロシアの歴史にしっかり残さなければならない」と重ねて表明した。シュムシュ島はクリル諸島(千島列島)の日本軍の北の要塞であり、難攻不落と考えられていた。1945年8月、ソ連の艦隊がこの島に上陸を果たしたことは、クリル諸島上陸作戦全体の中で決定的な出来事だった。(TASS 2021/9/6)

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※写真は2016年3月17日のサハリン・クリル通信の記事から