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市長が知事と会談 国後島メンデレーエフ空港の霧対策、色丹島—択捉島ヘリコプター便導入を要請

国後島色丹島歯舞群島を管轄する南クリル地区のパベル・ゴミレフスキー市長は、サハリン州のリマレンコ知事と会談し、霧などの悪天候で頻繁に欠航しているメンデレーエフ空港について、悪天候下でも航空機の正確な着陸を誘導する装置の導入を要請した。知事はロシア運輸省と協力して取り組むことを約束した。また、ゴミレフスキー市長は住民の関心が高い国後島色丹島間を航行する旅客船について、「国後島の市営桟橋の一部を改修しチェックポイントを設置するとともに、色丹島マロクリリスコエ(斜古丹)にある海上ターミナルを整備している」と説明した。市長は島への観光客の流れが数倍に増加していることにも言及した。この地域ではホスピタリティ産業が発展しており、新しいホテル、グランピング施設、カフェがオープンしている。オーロラ航空は択捉島--ウラジオストク便の運航を開始したことを受けて、市長は5月から10月にかけて色丹島からのヘリコプター接続便の導入を提案した。「これは色丹島にとって本土への最短ルートとなり、観光客にとっては択捉島だけでなくすべての島の美しい自然を探訪することができて、とても便利になる」と訴えた。知事はこの取り組みを支持した。島民にとってもう一つの重要な課題は道路建設。今年、国後島のユジノクリリスク(古釜布)--オトラダ(近布内)道路のうち延長900mの区間アスファルト舗装工事が完了する予定だ。色丹島でも今年10月末までに、クラボザボツコエ(穴澗)のメインストリート(延長1.8km)がアスファルト舗装される。南クリル地区では、老朽・危険住宅からの再定住プログラムが加速度的に実施されている。 昨年は計画された129世帯を上回る217世帯が新築アパートなどに入居した。2025年末までに、さらに 125 世帯(色丹島 82 世帯、国後島 43 世帯)の生活環境を改善する必要があり、住宅建設のための土地区画はすでに割り当てられている。ほかにも社会的に重要な施設の建設が進行中で、8月にはクラボザボツコエに幼稚園が開園し、2025年には下水処理場がフル稼働する予定だ。(astv.ru 2024/2/14)

知事に要請を行うゴミレフスキー市長(左)