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北方領土へ足を運んだ感覚、プロジェクションマッピングで味わう…政府が東京の展示館を改装へ

 北方4島の返還に向けた動きを推進するため、政府が定めた「北方領土の日」を7日、迎えた。ロシアによるウクライナ侵略以降、日露の交渉が中断するなど、日本の領土を取り巻く状況は厳しさを増しており、政府は領土・主権を巡る発信を強化していく。政府は、北方領土(北海道)や竹島島根県)、尖閣諸島沖縄県)への関心を高めるため、東京・霞が関の「領土・主権展示館」を改装し、プロジェクションマッピングを活用した展示を始める方針だ。迫力ある映像で島の自然や歴史を追体験してもらうことで、日本の主権に対する理解を広げる狙いがある。(読売新聞オンライン2024/2/7)

 計画では、壁や天井、床に映像を投影するプロジェクションマッピングを通じ、来館者が実際に島に足を踏み入れたような感覚を味わうことができる。具体的には、北方領土の海鳥・エトピリカ竹島のアシカ、尖閣諸島アホウドリなど、それぞれの島にゆかりのある動物の視点で上空を飛んだり、海中に潜ったりする体験を想定している。年内にも新たな展示を始めたい考えだ。

 近年、尖閣諸島周辺では中国海警局の船が領海侵入を繰り返し、北方領土を不法占拠するロシアは日露平和条約交渉の中断を宣言した。韓国による竹島の不法占拠も続いている。

 政府はこうした状況を踏まえ、発信の強化が必要と判断し、2023年度補正予算と24年度予算案に関連経費を盛り込んだ。政府関係者は「領土問題への関心を持つ人のすそ野を広げるきっかけにしたい」と話す。