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サハリン州議会議員たちがラブロフ外相にアピール 2島引き渡しは認めない

北方四島の話題

 サハリン・クリル通信2018/11/29

サハリン州議会の議員たちがクリル諸島の一部を日本に引き渡さないよう求めるラブロフ外務大臣宛てのアピールに署名、採択した。この後、ユジノサハリンスクのロシア外務省代表部を訪ね、ウラジミール・ノソフ氏に対して、交渉の現状説明を求めた。ノソフ氏は、日本を担当するロシア外務省アジア第3局の現状認識として、「ロ日両国の首脳はシンガポールでの会談で、1956年のソ日共同宣言に基づいて交渉を加速することで合意した。この文書は、両国の議会によって批准された法的文書であり、国際条約ある。従って、日本との平和条約交渉の過程で言及されることは極めて当然である。その上で、我々は平和条約問題を解決するための日程に関して具体的に合意はしていない。主たる問題は、第二次大戦の結果、南クリル諸島に対する主権がロシアに移ったことに関する日本の認識であり、困難な交渉が続くことになる。我々は、両国に受け入れ可能な解決策を模索するが、それはロシアの国益を十分に満たし、国会や国民の支持を得られるものでなければならない」と説明した。これに対して、アピールを主導したアレクサンダー・ボロトニコフ議員は、「外務省が使う外交用語は分かりにくい。1956年宣言は色丹島歯舞群島の日本への引き渡しを明記しており、有権者と私たち議員は、このような状況について懸念している。ロシア連邦の領土の統一性と国境維持のため、交渉の過程でクリルの島々を日本へ移管することのないよう、可能なあらゆる手段を講ずるよう求める」と訴えた。さらに、ボロトニコフ議員は啓発活動の一環として「クリル諸島の日」を制定することを提案した。

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アピールを主導したボロトニコフ議員(左)          

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外務省サハリン代表部・ノソフ氏(左)

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