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根室市新庁舎から国後島一望 5月7日開庁 4月20日に市民内覧会

 根室市は22日、市役所新庁舎の利用を5月7日から始めると発表した。開庁に先駆け、市民内覧会を4月20日に開く。北方領土国後島や知床連山を一望できる市民交流サロンと食堂を4階に整備。平日に加えて週末の一般開放を検討しており、市民や観光客の憩いの場になりそうだ。(北海道新聞デジタル2024/3/22)

 新庁舎は鉄筋コンクリート造り地上4階地下1階建て。現庁舎に隣接し、駐車場は来庁者用に102台、大型バス用に2台分などを備える。事業費は約58億円で、今月27日に完成予定。

 1階は吹き抜けのホールや市民向けギャラリーなどがある。執務室は1~3階に配置した。4階の議場は車いすで傍聴できるようにした。エレベーターは2基ある。

 庁舎の目玉になりそうなのが4階の市民交流サロンと食堂だ。根室湾を望む北側に面し、大きな窓からは国後島知床半島の山並みの景観を楽しめる。

 石垣雅敏市長は22日の記者会見で「上からの眺めは素晴らしく、北方領土問題を知ってもらうことを含め、土日も皆さんに見てもらいたい」とし、市役所閉庁日の週末も見学できるようにする考え。4階までの通路はシャッターなどで執務室と区切る構造といい、市は管理や警備方法を検討する。

 新庁舎は災害対応拠点として耐震性を強化しており、停電後3日間、給油なしに電源を供給し、給排水にも対応できる能力がある。住民290人の一時避難場所としても活用できる。

 現庁舎屋上の北方領土問題の啓発看板は新庁舎では垂れ幕にする予定という。

 内覧会は4月20日午前9時~午後8時に開催し、予約なしに自由に見学できる。駐車場もある。

 現庁舎は1973年完成で地上4階地下1階建て。解体工事は2024年度から行う計画で、25年夏に完了する予定。地下部分は残して倉庫として使う。

4階の市民交流サロンからは国後島知床半島が見える。週末も一般開放する方向だ(根室市提供)

ほぼ完成した根室市新庁舎(右)。右上の市章と「根室市役所」の文字は夜になると光る。左は現庁舎