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北方領土問題、元島民2世に学ぶ 羅臼で4年ぶり青少年セミナー 写真で島の様子紹介

 【羅臼】若い世代に北方領土返還運動への理解を深めてもらう「北方領土青少年洋上セミナー」が開かれた。根釧管内の小学4年から高校生までの32人が参加し、元島民2世らの話を聞いたり、クイズ形式で学んだりした。洋上から北方領土を見学予定だったが、高波で観光船が欠航したため一部別メニューとなった。4年ぶりの開催。(北海道新聞根室版2023/7/25)

 千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)と同連盟根室管内後継者連絡協議会の主催で、23日に町民体育館で学習会が開かれた。

 子供たちを前に、色丹島の元島民2世の上杉とみえさん(69)=別海町=は北方領土の概要や、択捉島色丹島に墓参やビザなし渡航などで訪れた時に撮影した写真を示し、島の様子を紹介した。取材に対し上杉さんは「当時の引き揚げ者と同じ年頃の子供たちなので、『自分たちならどう思う』などと問いかけ、考えてもらうようにした」と話した。

 根室高校の北方領土根室研究会の3人は、参加者に活動内容を紹介した。このほか北方領土に関する3択クイズも実施。「北方領土で一番高い山は?」「終戦前の北方領土の人口は?」など16問が出題され、参加者は積極的に手を挙げて回答した。正解者にはお菓子などが贈られた。

 初めて参加した別海中央小4年の今井陽さん(9)は「元々北方領土に関心があり、船に乗って国後島を見るのが楽しみだったけど、船が出なかった」と少し残念そう。学習会を終え、「元島民2世の話などを聞き、今でもロシアに占領されて島への行き来が困難だと知った」と話した。

 一行は洋上からの北方領土見学の代わりに、知床羅臼ビジターセンターを訪れた。(森朱里)