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北方領土との交流事業が果たす役割を学ぶ 通訳の佐藤史郎さん講演

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で北方領土との「ビザなし交流」などが見送られる中、交流事業が果たしてきた役割について学ぶ講演会が根室市で開かれました。根室市などが14日夜に開いた講演会にはおよそ110人が集まり、北方領土との「ビザなし交流」などに150回以上にわたって参加してきた通訳の佐藤史郎さんが講師を務めました。佐藤さんは自身の経験から、ロシア人はなかなか本音を明かさないものの、長年にわたって故郷の島を訪問している元島民の思いを理解していると説明しました。そのうえで「時間がかかっても、交流を通じて互いの長所をわかり合えるようになってきた。ビザなし交流がなければこうした状況にはならなかった」と述べ、交流事業の重要性を訴えました。「ビザなし交流」などの事業は4年前から、新型コロナやロシアによるウクライナ侵攻の影響で実施が見送られていて、再開の見通しは立っていません。講演を聞いた元島民の角鹿泰司さん(86)は「やはり交流はいい方向に向かっていたのだと感じた。少しでも早く再開されてほしい」と話していました。(NHK北海道NEWS WEB 2024/2/15)