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国後島・泊山のカルデラに科学ステーションが開設された

国後島のゴロヴニン火山(泊山)のカルデラ内で科学ステーションの組み立てが23日に完了した。カルデラ内にあるルートの最も困難なセクションに設置され、科学探検隊やクリル自然保護区の職員の研究、監視拠点となるほか休憩や宿泊の場所としても機能する。ステーションは旅行会社「Northern Urals」によって開発された居住用(4人用)と衛生用(浴場とドライクローゼット)の2つのモジュールで構成されている。モジュールはMi-8 ヘリコプターの貨物室に収まるように設計され、パーツごとに輸送されて現場で組み立てられた。特別な機器を使用せずに、2 ~ 3 人いれば数時間の手作業で組み立てられるのが特徴。同社はディアトロフ峠からペチョラ・イリチスキー自然保護区の観光ルートの開発に携わった。ルートに沿って 4 つの山岳避難所、ヘリポート、展望台、トイレ、橋を建設し、組織的な観光客の流れの出現と環境保護を確保した。このプロジェクトは個人の資金や助成金からの資金提供を受けて、260 人のボランティアによって進められ、2021年の最優秀観光プロジェクトとしてロシア地理学会賞を受賞した。国後島を訪問中、開発に豊富な経験を持つ同社のチームは、島内で最も多くの人が訪れる観光ルートの一つであるストルボフスカヤ・エコトレイルのオーバーツーリズムによる状況を懸念し、人為的負荷から保護する方法や島に観光税を導入し、その資金を観光産業の発展と自然保護に充てるというアイデアも提案した。(citysakh.ru2023/8/31)

https://youtu.be/PPCNgxRa_M0

組立作業を行うボランティア

モジュールには薪ストーブ、棚、換気システム、電気設備(照明と機器の充電システム)、ソーラーパネルが装備されている

衛生モジュールには 環境に優しい泥炭堆肥化トイレ システムを装備

モジュールは船で国後島に到着。職員とボランティアによって保護区の管理施設に降ろされた

ゴロヴニン火山のカルデラでの設置作業