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火山性ガスを放出する国後島・ポントウ湖 火山学者「水辺の散策禁止」を提言

噴気孔で観光客が火傷を負う事故があった国後島ゴロヴニン火山(泊山)のカルデラにあるキピャシチェエ湖(ポントウ湖)について、火山学者たちは「湖周辺では空気より重い二酸化炭素と硫黄含有ガスが放出されており、非常に危険だ。観光客が水辺を歩くことを禁止すべきだ」と警告している。クリル自然保護区内にあるキピャシチェエ湖では、サハリンの火山学者が9月末に調査を実施していた。湖の南西寄りの中央部には深くて鋭い円錐形の窪みがあり、硫化水素を多く含む二酸化炭素組成の火山ガスが勢いよく流れ出ているのを確認した。特に危険なのは、穏やかな天候のときに湖周辺で凝縮するガスで、空気より重い二酸化炭素と硫黄含有ガスが、湖の陥没穴や周辺の噴気孔から大量に放出される。火山学者は「今年は、一部の傲慢な観光客(またはそのガイド)が湖の西側から湖に下り、周囲を回ろうとするケースがあったが、熱傷やガス中毒の危険がある」と話す。今回の事故が発生する前、クリル自然保護区は天然資源省に、レクリエーション活動を最小限に抑えるため、湖から流れる水路を横切り、突き出たドームの斜面を登る平坦な横断遊歩道を2024年に建設するための申請書を提出していた。(クリル自然保護区ウエブサイト2023/10/13)