北方領土の話題と最新事情

北方領土の今を伝えるニュースや島の最新事情などを紹介しています。

サハリン北部の海岸 第二次大戦中の丸太製トーチカが波によって破壊されている

樺太時代、サハリンの南半分は日本の前哨基地であり、彼らは常に防衛線を重視し強化していた。ソ連側も南側の隣人を注意深く監視し、軍事的衝突に備えていた。今年10月、サハリン北部の東海岸にあるノグリキ地区の海岸で観光客が崖から突き出た丸太造りの構造物を発見した。第二次大戦中にソ連軍によって構築された陣地の一部とみられる。ノグリキ観光クラブのユーリ・ヴェリチコ代表は「海岸沿いには、隣国である軍国主義の日本からの脅威に備えて、ソビエト兵士によって建設された多くのトーチカや塹壕、見張り台などを備えた防衛線があった」という。発見された丸太の構造物は、断崖に打ち込まれたくさびのように、半ば海に突き出ていた。砲弾から兵士を守るため丸太が二重に組まれている。床はなかったようだ。一部の丸太には焼け焦げた跡があり、何らかの理由で火が回って屋根が崩壊したらしい。サハリンの歴史家イーゴリ・サマリン氏によると、これはトーチカであり、カタングリ油田を防御していた部隊の構造物の一部で、戦時中に建設された可能性が高いという。「時間の経過とともに戦争遺跡は取り返しがつかないほど失われている。波により海岸線は浸食され、地中の構造物が姿をさらした。残念ながら、このトーチカは最後の日を迎えている」と、ヴェリチコ代表は残念そうに言った。(サハリン・インフォ2022/11/4)