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歯舞コンブ漁船「デビュー貝殻島で」進水式 落石の刺し網船も餅まき

 根室市内で26日、新造のコンブ漁船とタラなどの刺し網漁船計2隻がそれぞれ進水式を行った。コンブ漁船は、例年6月1日に解禁される北方領土貝殻島周辺コンブ漁が操業できるか不透明な状況が続く。それでも船の所有者は「デビュー戦は貝殻島コンブ漁にしたい」と思いを語る。(北海道新聞根室版2022/5/28) 05:00

 コンブ漁船は歯舞漁協所属の第88栄宝丸(1・3トン)。母港の温根元漁港には関係者ら20人ほどが集まった。栄宝丸は緑やピンクの色鮮やかな大漁旗を10枚以上なびかせ、景気づけに演歌を流しながら、納沙布岬まで往復した。

 今年、同漁協所属の新造コンブ漁船は3隻ある。貝殻島コンブ漁はロシアのウクライナ侵攻を受け、交渉の行方が見えない。栄宝丸を所有する小田島泰輔さん(40)は「貝殻島に出漁できるか不安だが、出られるのならコンブで船をいっぱいにしたい」と語った。

 落石漁港でも落石漁協所属の刺し網漁船、第82信栄丸(4・9トン)がお披露目された。同港から花咲港などを1時間半かけて巡航し、同船主の小川昌彦さん(45)は「これからの大漁に期待したい」と力を込めた。

 帰港後は豊漁と安全を祈願し、岸壁に集まった地域の人たちに船上から紅白の餅や菓子をまいた。進水式に初めて参加したという成央小1年の寺坂彩姫(さき)さん(6)は「にぎやかで驚いた」と話した。(川口大地)