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国後島、色丹島でトドの確認数減少 歯舞群島のラッコは増加、350頭以上

2022年の冬、国後島色丹島の沿岸で観察されるトドの数が減っている一方で、歯舞群島のラッコの生息数は順調に増えている。クリル自然保護区のスタッフは2015年から毎年冬に、ユジノクリリスキー岬(大岬)でトドの個体数をカウントしている。研究者によると、「最も多かったのは2015年から2016年の冬で47頭だったが、この冬は12頭しか確認できていない」という。色丹島のクラボバヤ湾(穴澗湾)の状況も同じだ。トドは水産加工場の前の海岸で観察できる。近年で最も多かったのは、2015年から2016年の冬で52頭だったが、今冬はわずかに8頭だけ。ドドは一般的に4月~5月に国後島色丹島を離れ北の繁殖地に向かう。一方、レッドデータブックに記載されているラッコの個体数は一般的に危機的な状況にあるが、クリル諸島南部(北方四島)では順調に個体数が増えているようだ。主な生息地は小クリル自然保護区内のデミナ島(歯舞群島春苅島)とオスコルキ島(同じく海馬島)である。現在生息数が増えているロシアで唯一の場所だ。2020年のデータによると、350頭以上の個体が確認されている。しかし、北クリルでは過去12年間に5,000頭から1,100頭に、75%も激減した。国後島でも北部のチャチャ火山(爺爺岳)近くではめったに見られない。ラッコは沿岸の浅瀬に生息し、嵐や冬の夜には上陸する。彼らはめったに長距離を移動しない。研究者は漁業による餌の不足や気候、環境の変化が生息数に大きな影響を与える可能性があると指摘する。クリル諸島南部には少なくとも27種の海洋哺乳類が生息し、このうち13種がロシア連邦サハリン州レッドデータブックに記載されている。(サハリン・クリル通信2022/2/25)

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ラッコの母親は子供への思いやりにあふれている

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ラッコは昼寝が欠かせない

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国後島大岬沖のトド

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色丹島・穴澗湾のトド

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国後島ケラムイ崎のラッコ

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首にローブが巻き付いたトド