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北方四島も天然ガスに転換 サハリン知事のカーボンニュートラル政策 年間7億ルーブル節約

サハリン州では今後数年間で、北方四島を含むクリル諸島の電力システムは大規模な近代化に直面する。石炭やディーゼル燃料の代わりに、液化天然ガス再生可能エネルギーが使用されることになる。択捉島では、リマレンコ知事の主導で2023年に、液化天然ガスの受け入れ、貯蔵、再ガス化システムが登場する。同様のプロジェクトは国後島でも実施される。サハリン州温室効果ガスの排出量は1,230万トンで、吸収量は1,110万トン。その差120万トンで、これがカーボンニュートラルを達成するために削減する必要がある量だ。このため、今後数年のうちに州内に145あるボイラーハウスが石炭から天然ガスに切り替えられる。ガスと電気自動車のシェアは30%に上昇すると予想される。次の目標として再生エネルギーのシェアを15%に増やす。州はすでに200メガワットの容量を持つ風力発電所の建設契約を結んでいる。石炭業界でもロシアで最長の23kmの密閉式石炭ベルトコンベヤーを導入し、産炭地のウグレゴルスク地区の黒い埃が取り除かれる。州当局は気候プロジェクトに投資家を惹きつけるため、ロスアトムやフランス企業と共同で、輸出用水素の工業生産の可能性を研究している。また、リマレンコ知事はサハリンでグリーン・ファイナンス・メカニズムを実験することを提案した。クリーンエネルギーの輸送に対する州税に優遇措置を講じている。例えば、電気や熱の生産プラントに対する免税、天然ガス自動車や電機自動車を輸送する際の税を半分にしている。さらに国際協力にも積極的で、日本やEU諸国、世界銀行と活発に交流している。知事は大統領にサハリンの取り組みへの支持を訴え、対応する連邦法の整備も進められている。(サハリン・クリル通信2021/10/19)

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