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北方四島の元島民ら洋上慰霊へ 千島連盟支部と羅臼町10月6日に独自実施

 千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)羅臼支部根室管内羅臼町は27日、北方領土元島民らを乗せた船で根室海峡の日ロ中間ラインに近づき先祖を供養する「洋上慰霊」を、10月6日に行うと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大でビザなし渡航の中止が続いているため、町独自で初めて行う。(北海道新聞全道版2021/9/27)

 千島連盟羅臼支部の鈴木日出男支部長と湊屋稔町長が同町役場で記者会見し、発表した。

 当日は、羅臼に加え根室管内中標津、標津、別海の計4町と札幌から19人が参加を予定している。民間の観光船で午前9時に羅臼港を出発。日ロ中間ライン手前の国後島羅臼山の見える地点に向かい、約30分間、慰霊を行う。その後は中間ラインに沿って国後島の周りを航行し、午前11時30分に帰港する。

 洋上慰霊には、政府などに「島への上陸を断念したとロシア側に受け止められかねない」との慎重論が一部あったが、鈴木支部長はビザなし渡航が2年連続で中止されていることを指摘し「元島民は高齢化しており、慰霊の機会を設けたい」と説明。新型コロナの緊急事態宣言も解除されることから湊屋町長は「人数を絞っての開催を決めた」と述べた。

 洋上慰霊については、道や千島連盟も今秋の実施を検討したが、新型コロナ禍のため中止を決めている。(田中華蓮)

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写真は知床ネイチャークルーズのウエブサイトより

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