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北方四島ビザなし代替の洋上慰霊中止 千島連盟、コロナ感染拡大で

 北方領土の元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)は、新型コロナウイルスの影響で北方四島ビザなし渡航が2年続けて中止されたことを受け、今秋に検討していた船上での「洋上慰霊」の実施見送りを決めた。道内外で新型コロナの感染拡大が続いていることを踏まえ、参加する元島民らの感染対策を優先するべきだと判断した。千島連盟幹部が3日、明らかにした。(北海道新聞2021/9/4)

 関係者によると、千島連盟と道は9月下旬から10月上旬にかけ、北方四島を望む船上で慰霊祭を行う「洋上慰霊」を計画。連盟が1回、道が2回主催し、各回の参加者を30人程度に絞って行う予定だった。

 ただ道内では今月12日まで緊急事態宣言が発令されており、その後の感染状況も見通せないため、連盟内部では「感染リスクのある現状では、参加者が集まらない」との見方が拡大。連盟主催分の1回について年内の実施を断念し、8月末に各支部に通知した。

 道主催の2回分について、道北方領土対策課は3日、「関係機関と調整中」とした。ただ高齢の元島民らの新型コロナ感染への不安感は強く、計画通りの実施は困難な情勢だ。(武藤里美、村上辰徳)

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択捉島・内保沖での洋上慰霊(2019年7月の北方墓参、えとぴりか甲板で)

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