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日本人が建てたサハリン南部のアニワ灯台(中知床岬灯台)、修復に向けて専門家調査

サハリン南部のアニワ灯台(中知床岬灯台、1939年建設。設計者は旧逓信省の三浦忍技手)の修復に向けて、設計エンジニア、コンクリート構造研究の専門家、生態学者、歴史家、郷土史家が現地調査を行った。リマレンコ知事は、同施設をロシア国防省からサハリン政府の所有権に移管し、修理・修復作業を行えるようにすることを提案し、プーチン大統領によって支持された。知事は「現在、灯台を州に移管する問題は解決され、国防省と協力して必要な登録手続きを完了している。同時に、修理計画の作成作業を行っており、できるだけ早く再建に着手し、サハリン観光の看板の一つである灯台を適切な形に戻したい」とコメントした。到着した調査隊は灯台の外観の変化や内部空間を調査し、既存のコンクリートの強度を調査した。「ひび割れの深さ、開口部の数や幅などを調べるが、基本的に内部構造の結果は非常に良好だ。非破壊的な方法でコンクリートの強度をチェックする」と中央建築研究所のパベル・トラフキン副所長は述べた。再建にあたり、請負業者は建設資材の陸揚用バースを整備する計画だが、この施設は後に観光客の船の乗り降りに使用される予定だ。建物を本来の姿に戻すために歴史家と郷土史家が招集された。「灯台そのものを再現するのではなく、灯台の歴史やサハリンの灯台事業について知ることができる博物館の一部にすることが重要だ。日本とソ連が統治していた時代に、アニワ灯台で起こった様々な出来事を見られるようにする。この灯台樺太時代とソ連時代の遺物を保管し続けてきた」とポベダ博物館記念複合施設のユーリ・フィリペンコ館長は語った。灯台の外装改修工事は今年11月中旬までに実施される予定。将来的には、専門家が建物の外観を整えるだけでなく、ツアーで訪れる人にとって施設をより安全なものにする予定だ。1939 年に建てられたアニワ灯台は、ロシアで最もアクセスしにくい灯台の 1 つ。塔の高さは 31 m、照明の高さは海抜 40mある。ほぼ 80 年間、灯台ディーゼル発電機、その後は原子力電池ソーラーパネルで稼働し、岩だらけの海岸を航行する船の安全を守って来た。2006 年に灯台は運用停止、放棄された。(sakh.online 2024/4/9)

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