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北方領土返還キャラバン 54年ぶり活動開始 東京からスタート

 北方領土の元島民や後継者が東京、愛知、滋賀の3都県を訪れ、領土問題の解決を訴える「北方領土返還要求キャラバン隊」(根室市主催)が11日、東京・新宿駅での街頭啓発を皮切りに活動をスタートした。キャラバンの実施は1969年以来、54年ぶり。ロシアのウクライナ侵攻で日ロ平和条約締結交渉が途絶える中、領土問題を風化させないよう返還を訴えた。(北海道新聞デジタル2023/10/11)

 元島民や2世、4世の高校生、根室市の石垣雅敏市長ら約20人で構成。13日まで「四島(しま)還(かえ)せ!」と記したラッピングバスで東京から滋賀まで移動し、各地で街頭啓発などを行う。

 新宿駅では、北方領土問題の啓発キャラクター「エリカちゃん」の着ぐるみも参加し、通行人らに四島返還を訴えるティッシュを配り、署名活動を行った。元島民4世で根室高2年の佐藤紅羽さん(16)は「関心を持って立ち止まる人がいてうれしい」。67年の第1回キャラバンに参加した歯舞群島多楽島出身の河田弘登志さん(89)は「返還運動がこれほど長くなるとは思わなかった。領土問題は国民一人一人の問題だとわかってほしい」と話した。

 一行はその後、東京都庁を訪れ、中村倫治副都知事らと面会。石垣市長は「北方領土問題が置き去りにされ、関心が薄れることを懸念している」と述べ、返還運動への協力を求めた。(荒谷健一郎)