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択捉島の対日戦勝記念日はどのように祝われたのか--地元紙「赤い灯台」から

軍国主義日本に対する勝利と第二次世界大戦終結の日の9月3日に択捉島リリスク(紗那)で記念式典が催された。クリル地区のワディム・ロコトフ市長は「親愛なる択捉島の皆さん、この祝日は私たちにとって特別な意味を持っています。この島々で私たちは日本に対して勝利を収めました。1945 年 9 月 3 日、南サハリンとクリル諸島(北方四島を含む千島列島)は永遠に祖国ロシアに加わりました。戦後、ソ連全土から数千人の避難民が私たちの地域に押し寄せました。彼らの多くは永遠に滞在し、心と魂を私たちの厳しくも寛大な土地に根付かせました。人々は家族をつくり、家を建て、4世代、さらには5世代にわたって択捉島に住んでいます。今日、私たちはソビエト人民の偉業の記憶を引き継ぐ勝利した戦士の子孫に会えることをうれしく思います。今日、私たちは父と祖父の偉業を引き継ぎ、ロシアの利益を断固として守ります」と挨拶した。クリル地区議会のタチアナ・ベロウソワ議長はスピーチの中で「歴史的正義がついに勝利した」と述べた。「私たちの勝利に対日本戦勝記念日という本当の名称が与えられました。戦後何年もの間、私たちは平和条約こそなかったものの、まるで隣人のように暮らしてきました。 しかし、2022年2月、ナチスの過去を恥じなくなったヨーロッパ人だけでなく、つつまししく洗練された日本人も仮面を脱ぎ捨てました。私たちの隣人は、ナチスと同様に、アジア人に対して考えられないほどの残虐行為を行ってきました。私たちは、自らの命を犠牲にして勝利に導いた英雄たちを思い出し、感謝しなければなりません。彼らの比類のない偉業を忘れる権利はありません」--。集まった全員が1分間の黙祷を捧げ、南サハリンとクリル諸島の解放に命を捧げ、そしてウクライナでの特別軍事作戦で亡くなった人々を追悼した。また、ベロウソワ議長は、特別軍事作戦の地域(ウクライナ東部)で戦う兵士たちが必要としている迷彩ネットを作る「勝利の結び目」キャンペーンへの協力を呼び掛けた。今回のパレードは、参加者数という点では昨年に比べて少なかったが、意義は変わらない。横断幕グループと軍事部隊に加えて、ゴリャチエ・クリュチ(瀬石温泉)にある学校の生徒たちも参加した。式典に続きステージでは対日戦勝記念日の祝賀行事が行われ、軍楽隊やプロ、アマチュアのアーティストによる演奏が披露された。夜には、択捉島のすべての集落でお祝いの花火が打ち上げられた。(赤い灯台テレグラム2023/9/3)

ロシア女性連合の地方支部が主導した「勝利の結び目」キャンペーン。漁網にカーキ色のヒラヒラを結び付けて迷彩ネットに変えた。老若男女、職業や社会的地位の異なる人々が参加し、1時間後にはいくつかの迷彩ネットが完成。ウクライナ東部の戦闘地域に送られる。

対日戦勝記念式典が行われたスポーツ文化会館前広場の入り口では、警官だけでなく、択捉島で活動を始めたコサック協会のメンバーがテロを警戒した。コサック協会は公共の秩序と安全を守るため自発的に参加した。

広場には武器や軍事装備が展示され、子供たちは戦車によじ登り、武器を手にした。

ロコトフ市長

ベロウソワ議長