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国後島・郷土博物館の展示から ウルップ島『クリルロシア』の発掘調査で見つかった遺物

択捉島の新聞「クラスヌイ・マヤーク(赤い灯台)」とクリル郷土博物館の共同プロジェクト「博物館の秘密:展示の歴史」から、今日はウルップ島のアレウカ湾(小舟湾)で発見された「クリルロシア」の遺物についての話。博物館のリリア・パリイ館長が詳しく教えてくれた。----  島の太平洋岸に位置するアレウカ湾は、ウルップ島で船を係留するのに適した唯一の場所であり、今もそうだ。歴史文書によると、1765年から1804年に存在したロシア・アリュートの入植地が設立されたのはこの湾だった。後に『クリルロシア』と呼ばれるようになった。基本的に、入植者の生活はすべて、極東とアラスカの開発を独占していた露米会社(RAC)の利益と密接に関連していた。1981年から、『クリルロシア』の研究とロシアの実業家の活動に関する考古学的発掘調査が、この入植地跡で始まった。調査で膨大な資料が収集された。釘、鋳鉄製の大釜、海の動物を釣るための銛など、多数の金属製品が発見された。興味深いことに、露米会社のモノグラムが描かれた丸い鉛板やガラス製品、ビーズ、ファイアンス焼きの陶器も発見された。1982年に、鍛冶場が調査され鍛造品、鋳物、鍛冶道具も見つかっている。出土品の一部は、発掘調査に参加したサハリン州郷土博物館のヴァレリー・シュビン館長によってクリル郷土博物館に引き渡された。(クラスヌイ・マヤーク2023/7/23)

1980年代初頭、発掘時のアレウカ湾の写真

クリルロシア入植地で見つかった遺物

考古学探検隊のメンバー、ヴァレリー・シュビン