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掃海艇T-335の銘板「プロジェクト・フラ」で米海軍がソ連太平洋艦隊に貸与

サハリンの5つの博物館が収蔵している「不思議な展示物」15点がオンライン・ミュージアムで公開されている。その中に「ソ連太平洋艦隊の掃海艇T-335の銘板」が紹介されている。ユジノサハリンスクのポベダ博物館記念館に収蔵されているもので、艦名や建造した造船所、年が記されている。コルサコフ港で発見されたものだ。掃海艇T-335は、対日参戦に備えてソ連海軍にアメリカの艦船を貸与し、ソ連の乗員を訓練する米ソの極秘作戦「プロジェクト・フラ」でソ連太平洋艦隊に移管された艦船の1つ。(※最終的に140隻を超える艦船が移管され、占守島の戦いや北方四島への上陸・占領作戦に使用された)「プロジェクト・フラ」は、ソ連の対独戦争を支えた「レンドリース」とは別の枠組みで取り組まれた。1942 年 12 月にアメリカ・フロリダのタンパ造船会社で建造されたが、当時はAM-150バリアと呼ばれていた。1943年初めに進水し、1944年にアラスカとアリューシャン列島の海域で哨戒任務に就き、1945 年夏にアラスカのコールド・ベイに到着。ソ連太平洋艦隊に加わった。1945年の対日戦争中、T-335 はベーリング海オホーツク海日本海で通信と基地を守る任務に当たり、1955 年に退役した。(astv.ru 2023/5/23ほか)