北方領土の話題と最新事情

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国後島 5月9日の対独戦勝記念日 恒例の「不滅の連隊」バレード中止に

国後島では、5月9日の対独戦勝記念日に、例年実施してきた自動車とバイクによる行進や住民たちが戦死した親族の肖像画を掲げて行進する「不滅の連隊」パレードは行わず、新しい形式で開催される。大規模な集会におけるテロの危険性を考慮した決定で、「不滅の連隊」パレードは街頭行進の代わりに、肖像画などを家や自動車の窓、壁、衣服に貼ったり、SNSを活用して行う。当日、ユジノクリリスク(古釜布)では、日本の軍国主義からサハリン地域を解放したことを記念して、解放戦士の記念碑に花を捧げるほか、正午から地区文化会館でお祝いのコンサートが開かれ、ゴミレフスキー市長やウクライナに派遣され休暇で帰島している動員兵がお祝いの言葉を述べる。午後1時からは、参加者に恒例の粥とお茶が振舞われる。(kurinews.ru 2023/4/27)

プーチン政権はウクライナの戦争で犠牲になった兵士の遺影を持った人々が路上に出てくることを懸念」(NHK 2023/4/29)

ロシア兵などの人権保護に取り組むNGO「徴集兵の学校」の代表で、現在は、ロシア国外で活動を続けるアレクセイ・タバロフ氏はNHKのオンラインインタビューに対し、来月9日の第2次世界大戦の戦勝記念日にあわせて各地で行われてきた「不滅の連隊」と呼ばれる市民の行進がことしは見送られることについて、「プーチン政権は、ウクライナの戦争で犠牲になった兵士の遺影を持った人々が路上に出てくることを懸念している。反戦運動につながる制御できない激しい怒りを呼び起こす可能性もある」と述べ、政権側が戦争をめぐる国内世論に神経をとがらせているという見方を示しました。

国後島での「不滅の連隊」パレード(2022年)