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ロシア産ウニ混ぜ返礼品偽装の業者が自主廃業へ 

 「利尻産」をうたった宗谷管内利尻町ふるさと納税返礼品の冷凍ウニにロシア産などが混ざっていた問題で、返礼品業務を請け負っていた水産加工業、カネマス上田商店(釧路管内厚岸町)が「産地を偽った責任を取る」として、近く自主廃業する方針を決めたことが13日分かった。(北海道新聞2022/6/14)

 上田敏樹社長が北海道新聞の取材に「欠品を避けるため混ぜてしまった。気持ちの緩さがあった」と偽装を認めた。上田社長は今後、同町に損害賠償するとし「町や納税者、漁業者に謝罪したい」と話している。

 一方、利尻町の上遠野浩志町長は同日、今月中にも同社を告訴することを決めた。

 問題は利尻町の返礼品冷凍ウニについて欠品や味の苦情が相次ぎ、同町が調査して発覚。同町は10日、同社が1月に利尻工場から発送した約3千件のうち約400件でロシア産などを混ぜていたと発表した。

 産地を偽ったことについて上田社長は「返礼品の受注量が多く、利尻産が足りなくなった。納品義務を守ろうと同時期に扱っていたロシア産を混ぜた」と説明。その上で「ロシア産の主産地の北方四島赤潮被害に遭い、良い品質のものを確保できなかった」と味の苦情が出る要因になったことを認めた。

 同社は13日までに事業を停止。残務整理のため社長ら3人を残して10日に社員・パート32人に解雇を通知した。帝国データバンクなどによると、同社は1955年創業で、2021年3月期の売り上げは28億円。厚岸町利尻町に工場、東京都、札幌市、福岡市に営業所がある。