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北方四島を追われた元島民 ウクライナと重なる思い

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「島を追い出された自分たちよりもひどい」。

 北方領土の元居住者らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟根室支部長代行の角鹿泰司さん(84)=歯舞群島勇留島出身=は、ロシア軍の激しい攻撃にさらされるウクライナの人々の映像に憤る。

 旧ソ連は1945年(昭和20年)8月末、北方領土に侵攻。8歳だった角鹿さんの自宅に、3人のソ連兵が土足で上がってきた時の恐ろしさは今も忘れない。翌46年に漁船で根室に脱出し、家族と一緒に真っ暗な魚槽の中で息を潜めた記憶。ウクライナの避難民の姿は、「島から逃げるように出てきた自分たちと重なる」と心を痛める。

 「武力で現状を変更することを、世界の常識にしてはいけない。言うべきことは言わないとだめだ」

 日本政府にはロシア側に毅然と対応するよう望むものの、北方領土交渉の行方はますます見えなくなった。それでも望は捨てていない。「ロシアが、ウクライナだけでなく日本と領土問題を抱えていることを、世界の人に知ってもらえるのではないか。それがいずれいい方向に影響することを願っている」(北海道新聞2022/3/12)

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