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北方領土問題、若い世代に伝えたい 元島民の思い漫画に 千島連盟根室支部

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 北方領土の元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)根室支部は、元島民の体験や島への思いを描いた漫画の制作を進めている。若い世代に北方領土問題を広く知ってもらうのが目的で、漫画を使って発信するのは初めて。年度内にもインターネット上で公開する。(北海道新聞全道2022/1/18)

 作品は、国後島出身の古林(ふるばやし)貞夫さん(83)=根室市在住=が主人公。戦前の島で7人家族が平和に暮らした様子や、樺太を経由して強制送還された経緯、返還運動への思いを、イラストレーターの大内さゆりさん(31)=同=が描く。

 大内さんは昨年9月から、古林さんから聞き取りし、古林さんから借りた資料を基に制作を続けている。「『歴史の過ちを繰り返さないために、悲しい過去は伝えていかないといけない』という古林さんの話が印象に残った」と言い、作品でもその言葉を引用した。楽しかった島の生活は明るい色で、旧ソ連軍侵攻の場面は暗い色で描くなど表現方法も工夫する。

 大内さんは18日、古林さんに制作中の作品を初めて見せ、意見を聞いた。古林さんはじっくりと漫画を読んだ後、「昔のことを思い出す。涙が出るわ。島への思いが漫画を読んだ人に伝わってほしい」と話した。

 千島連盟根室支部は「領土問題への関心が薄い世代に、分かりやすい方法で伝えることが大切だ。漫画ならば幅広い層にも見てもらえる」と期待する。フルカラー20ページ前後で、音声なども加え、動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿する。(武藤里美)

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