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ラクスマンと光太夫の地図の複製贈る 来航230年記念、根室市民有志が市に

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 ロシア初の遣日使節アダム・ラクスマン根室来航230年を記念し、市民有志が18日、アダムの父キリル・ラクスマンと大黒屋光太夫が共同製作した日本地図の複製を根室市に寄贈した。市は2月1日から市歴史と自然の資料館で展示する。(北海道新聞根室版2022/1/19)

 有志を代表して、根室商工会議所の山本連治郎会頭と市内在住の早川昭貴彦(あきひこ)さんが市役所を訪れ、石垣雅敏市長に目録を手渡した。

 地図は縦60センチ、横120センチ。松前など北海道の一部と日本列島が色付きで描かれている。日本語とロシア語で地名が記され、製作年を示す「1791」の年号もある。

 船頭の光太夫は1783年、伊勢白子(三重県鈴鹿市)を出航後、大しけに遭い、ロシア・アリューシャン列島の孤島に漂着した。10年近くにわたって過酷な旅を続け、キリルの尽力によりアダムに伴われて帰国した。

 山本会頭は「世界史、日本史に大きな影響を与えた歴史の舞台の一つに根室市が関わっていることを改めて発信してほしい」と贈呈の目的を伝えた。石垣市長は「根室市北方領土を抱える一方、日ロ交流発祥の地。その役割を果たしていきたい」と応じた。

 市民有志は同じ複製をキリルの生誕地、フィンランドのサボンリンナ市にも贈っており、両市の友好の深まりにも期待している。(黒田理)