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歯舞群島・勇留島の岬に伝説のスパイ「ゾルゲ」の名前を サハリン州議会が承認、命名手続き開始

ロシア地理学会サハリン支部が、小クリル諸島(色丹島歯舞群島)の島にある岬に、リヒャルト・ゾルゲ(ソ連のスパイ)と命名するようサハリン州議会に提案していた問題で、14日州議会の建築・規制・地方自治委員会が開かれ、全会一致で承認された。セルゲイ・ポノマリョフ支部長によると、岬があるのは歯舞群島勇留島の南西部、海抜19メートルの場所だ。2016年の調査で名前が付けられていないことが確認されていた。モスクワやサンクトぺテルブルクなどではゾルゲの名を冠した通りがあるが、サハリン州や南クリル地区には存在しないことが確認されている。伝説的なソビエトの諜報員ゾルゲは、1933年から1941年に日本で活躍し、日本軍がソ連を攻撃する準備が出来ていないことを報告し、これにより、ソビエト指導部は軍隊を極東から西に移動させ、ナチスドイツに反撃を開始することが可能になった。1941年10月18日、ゾルゲは逮捕され、1944年に東京巣鴨拘置所で処刑された。1964年に「ソ連邦英雄」の称号を授与された。命名の手続きはこの後、来年の2月5日までサハリン住民の意見募集が行われる。(サハリン・クリル通信2021/12/14)

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