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サハリンの歴史家が樺太時代の「知取」の年代記「カラフトの静かな港」を出版

❐サハリンの話題

 サハリン・インフォ2020/6/27

サハリンの歴史家ニコライ・ヴィシュネフスキー氏がマカロフ(日本名・知取)の歴史を掘り起こした新著「カラフトの静かな港」を発表した。昨年出版された「ロシアの極東」に次ぐマカロフ3部作の第二弾であり、近く第三弾の刊行も予定されている。3部作のきっかけは4年前にマカロフ市長から依頼を受けて「知取協定」の研究に着手したことだった。「知取協定」は第二次大戦の最終局面を迎えた1945年8月22日、ソ連軍と日本軍の指導部により、樺太南部の戦闘行為に終止符を打つことを取り決めた協定。これを機にマカロフの年代記を作成し始めた。三部作に関する作業で、著者はロシアと日本のアーカイブ、博物館、図書館、個人の膨大な資料を集め、歴史的、社会経済的、文化的な観点から、家族の運命と興味深い事実を掘り起こした。彼の読者は1905年から1945年までを描いた、この第二部を楽しみにしていた。表紙のデザインには日本の鳥観図絵師・吉田初三郎の絵を使用した。「知取」は工業地帯で、2つの港があり、最大6つの鉱山があった。漁業が発達し、製紙工場はカラフト全体で最も先進的だった。日本の書物では「裕福な人になれる場所」と記されている。戦前の地図には、劇場、酒工場、テニスコート、獣医院、本屋や自転車屋などなんでもあった。

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