2024年春の叙勲受章者に根室管内から関係者10人が選ばれた。旭日双光章を受けた元千島歯舞諸島居住者連盟副理事長の河田弘登志さん（89）=根室市、北方領土返還運動功労=に喜びの声を聞いた。(北海道新聞デジタル2024/5/9)
■河田弘登志さん 「返還まで活動やめない」
河田さんは歯舞群島多楽島出身。根室市北方領土対策係などを経て2000～11年に北方領土元島民らでつくる千島連盟の根室支部長、13～23年に副理事長を務めた。
印象に残っていることは1967年から道内外を3年かけて巡った北方領土返還要求「キャラバン隊」だ。トラック運転手の経験がある河田さんは先頭車のハンドルを握り、思いを伝えた。
現在は同連盟相談役。日ロの領土交渉が中断し「対話できない状態で取りつく島がない」と厳しさを認識する。今回の受章で「領土返還の実現まで活動はやめられないと実感した。身体が動くうちは現場にも出て、一生かけて返還運動に取り組む」と力を込める。
