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北方領土問題 コラボで啓発 根室高生と中標津農高生、出前講座

 【根室根室高の部活動「北方領土根室研究会(北方研)」の生徒と中標津農業生による、北方領土問題についての「コラボ出前講座」が、根室振興局で開かれた。根室高生以外の高校生が出前講座を行うのは初めて。元島民や振興局職員ら60人を前に、両高の生徒計4人が合同で講座を行う姿を初披露した。(北海道新聞釧路根室版2023/12/31)

 根室振興局の返還要求運動の後継者育成事業「Nプロジェクト」の一環で、従来は根室高中心だった高校生による啓発活動を、学校の枠を越え広域展開するのが狙い。講座は21日に、根室高生3人に中標津農業2年の柴田あかりさん(16)が加わり実施した。

 柴田さんは、四島の歴史の解説を担当し、戦前の水産業などを写真やイラストとともに紹介。江戸時代に探検家近藤重蔵択捉島に渡って標柱を建て「択捉島が日本の土地だと知らしめた」とも説明した。千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)の角鹿泰司根室支部長(86)は、今は運動の担い手が元島民から後継者に変わる転換期だとした上で「運動を続けていくため、みなさんの力が必要です」と激励した。

 柴田さんは「抑揚をつけながら話すなど、伝わりやすい話し方を心がけるだけでなく、北方領土の知識も蓄えていきたい」と話した。(川口大地)