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北方四島安全操業、タコ漁も出漁見送り ロシア側が協議応じず

 【根室】ロシアが実効支配する北方四島周辺海域で日本漁船が行う安全操業のタコ空釣り縄漁が16日、解禁日を迎えたが、ロシア側が今年の操業に関する政府間協議に応じていないことから、根室市内の漁業者は出漁を見送った。安全操業は実施のめどが立たない状況が続いており、漁業者の多くは根室半島沿岸でのタコ漁に切り替える見通し。(北海道新聞2023/10/17)

 安全操業は日ロ政府間協定に基づき、四島の管轄権に日ロ双方が触れない形で、北方領土海域での日本漁船の操業を認める枠組み。タコ漁は1998年から例年10月16日~翌年1月末に根室を拠点に歯舞群島色丹島周辺で行われてきた。

 ロシアは今年1月、ウクライナ侵攻に伴う日本の対ロ制裁に反発し、安全操業に関する政府間協議の凍結を発表。日本側は従来の枠組みでの操業を求めているが、日本外務省によると、ロシアから肯定的な反応は得られていない。安全操業を巡っては9月16日から12月末が漁期のホッケ刺し網漁も出漁できない状況が続いている。(先川ひとみ)