日本とロシアが結ぶ「安全操業協定」に基づき北方領土の国後島周辺で操業するホッケ刺し網漁が30日に始まり、根室管内羅臼町の港から約10隻が出発した。ウクライナ侵攻の影響で、解禁日からは2週間遅れ。漁師らは「北海道の代表的味覚」の豊漁を願う一方、緊張が続く日ロ関係に不安そうな様子も見せた。(北海道新聞2022/9/30)
午前0時ごろ、日の丸をたなびかせながら漁船が次々と出港した。第58朝日丸の船長三浦保之さん(66)は「大漁に期待している。ただ拿捕されないかという心配は残り、違反がないよう気を付けたい」と話した。
協定では、北方領土の主権問題を棚上げし、日本側がロシア側に協力金を払う。ロシア側は6月、協定外の対ロ援助金を操業条件の一部だと主張し、履行中断を発表。日本側は漁業者の権益を優先し、援助金約1億5千万円を支払った。今年は計約2200トンを取ることで合意済み。うちホッケの漁獲枠は777トン、漁期は12月31日まで。