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カムチャツカ地方 西部・中央部への太平洋サケマス輸送 北極海航路定期便化を目指す

国営原子力企業”ロスアトム“(Росатом)の子会社、”アトムフロート“(Атомфлот)は、北極海航路の定期便化に取り組んでいる。“アトムフロート”は今年2022年夏秋、原子力コンテナ商船*“セヴモルプチ”(Севморпуть)により、ペトロパブロフスクカムチャツキーと、ムルマンスク、サンクトペテルブルグを結び2航海を行う計画だと発表した。カムチャツカ地方は、同地方で生産された太平洋サケマスのロシア西部・中央部への輸送について北極海航路の定期便化に強い関心を示している。近年、同地方の製品の西部・中央部への輸送は、沿海地方を通じ、主に鉄道で行われているが、ウラヂオストクの冷凍冷蔵庫不足等により物流が滞ることが指摘されている。カムチャツカ地方にとって太平洋サケマス漁期の物流問題は重要で、ペトロパブロフスクカムチャツキーからサンクトペテルブルグまでの北極海航路輸送は鉄道輸送の1/2の所要時間であり、期待が寄せられている。(ロシア漁業ニュースヘッドライン2022/6/6)

セヴモルプチ(Севморпуть)

1988年(ソ連時代)に建造されたKLT(КЛТ)-40タイプ原子力発電所を備えた砕氷輸送船。全長260メートル。原子力発電所で建造された非軍事商船4隻の中で最大。北海航路にちなんで名付けられ、プロジェクト10081唯一の船舶。コンテナで製品を北部の遠隔地に輸送することを目的としており、厚さ1メートルまでの氷を粉砕して航行可能。2019年現在、原子力発電所を備えた唯一の運航貨物船。