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元島民ら画面越し交流 色丹島のロシア人と 渡航再開期待

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で北方領土との交流事業が2年連続で中止となる中、根室市が企画したオンラインによる交流会が7日、初めて開かれ、色丹島の元島民ら6人が同島に住むロシア人島民14人と親交を深めた。(毎日新聞北海道版2021/11/8)

 1992年に開始された四島交流事業は約28年続いたが、外務省は感染拡大を受けて2020年4月に「当面の見合わせ」を発表。日本側の元島民らと四島に住むロシア人は互いに行き来ができず、約2年にわたり交流が途絶えている。

 そこで、根室市は双方の近況を確認し合い、来年の渡航再開を期する交流会を企画。同市の友好団体「ビザなしサポーターズたんぽぽ」(本田幹子代表)のメンバー4人と通訳2人の計6人が同市内の会場に集まり、パソコン画面越しに会話を交わした。

 色丹島での暮らしぶりを描いたアニメ映画「ジョバンニの島」の主人公のモデルで同島出身の得能宏さん(87)は、ドローンで撮影された島の最新映像が流されると、自身が生まれ育った家を見つけ「全然変わっていない」と目を輝かせた。

 これに対し、元議員のイーゴリ・トマソンさん(56)は「(新型コロナによる)制限が解けたら、また色丹島に来てください」と呼び掛け、得能さんは「孫2人を連れて行きます」と再開を期した。

 しかし、ロシアのワクチン接種率は、根室市のほぼ半分の4割程度。しかも、再び感染が広がっていることから、ミハイル・ドダーエフさん(58)は「交流ができないのは残念。来年受け入れたい気持ちはありますが、実際に受け入れられるかどうかは分かりません」と先行きの不透明さを伝えた。

 一方で、ドダーエフさんは「フェイスブックでお互いの近況を伝える場を立ち上げたらどうでしょう」と提案。根室市北方領土対策監の谷内紀夫さん(63)は「来年ビザなし30周年の節目。30年を振り返るような共同の取り組みを形にしたい」と応じた。(本間浩昭)

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