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「美しい海とシコタン島の虜になった」--ヴャチェスラフ・モロス

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 ヴャチェスラフ・ニコライヴィッチ・モロスは1961年にベラルーシで生まれた。1985年に徴兵によりシコタンの海軍旅団に入隊。島に恋をして、除隊後も残った。「私は時々、両親や親戚の墓があるベラルーシに行くが、いつもシコタンに戻ってくる」という。ロシアの西部の人間には分からない、美しい海とシコタンの虜になった。そしてここで結婚し、子供が生まれた。たぶん、それが私が住み続ける理由だ」--。

 除隊後は沖仲仕として働き始め、1年後の1988年に夜間学校の体育教師になった(1991年以来、昼間の学校で)。「ロシアの愛国者」メダルのほか、さまざま表彰を受けているが、地域スポーツ大会でのシコタンの子供たちの活躍をみれば、彼の教師としての能力の高さが分かるだろう。

 彼はこれまで本土への移住を一度も考えたことはない。「大地震(1994年)の後は大変だった。私の娘はその時生まれたばかりだった。それでも妻と私は色丹島に留まることにした」と回想する。

 妻のイリーナ・ぺトロブナは1965年、シコタンで生まれた。今も、村の行政で会計士として働いている。「彼女は私の給料を計算して、そして私から取り上げるんだ」とジョークを飛ばす。彼らの息子と娘は学校を卒業後、サハリン本島のユジノサハリンスクに住んでいる。そして2年前に孫が生まれた。彼らは生まれ故郷のシコタンを忘れず、定期的に両親のもとを訪ねている。(kurilnews.ru 2021/2/9)