❐北方四島の話題
サハリン・インフォ2019/5/30
ロシアの調査委員会がサハリン州の元副首相イーゴリ・ビストロフに対する刑事訴訟を起こした。ビストロフは5月13日にサンクトペテルブルグで拘束後、ハバロフスクに連行された。拘禁中、拘留命令が読み上げられた。それによると、色丹島の水産加工場オストロブノイの破産に際して、ビストロフが職権を乱用して、同社に割り当てられていたクオータの返還を要求、結果としてオストロブノイの再建を担うことになつた新規投資家が不利な条件で取引することを余儀なくされた。不思議なのは、2～3年前の事件が今になって蒸し返されたことだ。オストロブノイは2016年4月、プーチン大統領が国民と直接対話するダイレクト・ラインで一躍有名になつた。元従業員が給料の未払いを大統領に直接訴えたからだ。その後、同社は破産宣告を受け、プーチン大統領、州知事などの肝いりで集められた新規の投資家によって再建され、所在地の色丹島は現在は政府が進める特区「先進発展領域」(TOR)に指定され、同社が70億ルーブルを投資することになっている。
