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色丹島のTOR指定から3年 投資総額200億ルーブル超 国境チェックポイントの創設などを議論

色丹島のTOR(優先的社会経済発展区域)「クリル諸島」が指定から3年が経過し、新たな投資と指定地域の拡大が議論されている。TORは税制優遇措置などで地域の発展を先導する施策で、極東投資誘致・輸出支援庁(ANO API)はTOR「クリル諸島」で色丹島マロクリリスコエ(斜古丹)のオストロブノイが取り組むプロジェクトを支援している。同社はふ頭整備、缶詰工場、切り身生産プラント、冷凍・冷蔵施設、漁船修理施設の再建・建設を進めている。投資額は56億ルーブルで、700人以上の雇用創出を見込む。また、ANO APIは2018年にTOR「クリル諸島」の枠組みの中で、建設と観光分野の2つの投資プロジェクト立ち上げを主導した。そして現在は、色丹島マロクリリスコエに国境チェックポイントを開設し、フリーカスタム・ゾーンを設定することが議論されている。TORクリル諸島での総投資額は200億ルーブルを超えている。さらに、建設企業アライドはANO APIの支援を受けて、中型漁船を建造するプロジェクトを立ち上げる予定だ。極東を担当するトルトネフ副首相は「クリル諸島はロシア東部の前哨基地。島の開発を進め、経済を発展させ、新しい仕事を生み出し、人々がクリル諸島で暮らしたいと思うようにするため、あらゆることをしなければならない」と強調した。これを受けてANO APIは水産加工と養殖分野で、新たに3人の投資家をTORクリル諸島に誘致する計画を進めている。(サハリン・クリル通信2020/8/24)

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