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択捉島 ボランティア医師団が7日間で2,000人超の住民を診察

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北方四島の話題

 サハリン・インフォ2019/5/23

ロシア全土からの医療ボランティア「ロシアのフロンティア」による択捉島での無料の診療活動が終了した。モスクワやサンクトから14分野15人の専門医が来島。診療を受け付けた7日間で受診者は2,000人を超えた。島民は午前530分に中央病院の入り口に並び始め、診察を待った。行政府は受診者があまりに多いことから、診察を終えた住民が夕方にバスで帰宅出来るよう運行スケジュールを変更した。ロコトフ市長、ベラウソワ議長と懇談した医師から様々な問題点が指摘された。遠征隊長を務めた整形外科医は「子供たちの333人、成人の259人で何らかの疾患が確認された」と語った。子供たちの中で、後天的な視覚障害が増加している。過去6年毎年診察のため来島している医師は、子供たちのライフスタイルの変化に注目した。「初めてエトロフに来た時、スマホを持っている子供は少なかったが、今ではみんな持っている。エトロフのもう一つの特徴は、あまりに栄養状態が良すぎることだ」と「あまりに」という言葉を強調した。別の医師は「虫歯の子供が増えている。適度な運動、乳製品や野菜の摂取が足りない」と注意を喚起した。さらに、衝撃的な事実も明らかにされた。択捉島のがん患者の数だ。昨年1年間で17人だったのが、今年は4カ月間で16人が特定されている。腫瘍の専門医は「新しい装置を入れても、装置自体は診断をするわけではない。医師はもっと訓練する必要がある。でなければ高価な機器の購入は無駄になる」と語った。「ロシアのフロンティア」は島内の大企業ギドロストロイが資金提供して年2回実施。医師団は9月にまた来島する。

 

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