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国後島の「幸せの木」伐採問題 伐採した企業の合法性を確認する文書が提出される

北方四島の話題

 サハリン・インフォ2019/3/26

●…国後島の住民が「幸せの木」として大切にしていたイチイの老木が伐採された問題が南クリル地区議会で取り上げられた。道路工事を請け負っていた「トルード」社の支店長が会議に出席し、同社の作業員が伐採したことを認めた上で、「イチイの木が生育していた場所はユジノクリリスク(古釜布)--ゴロブニノ(泊)の道路建設用地だった」などと説明。道路の再建工事が始まる前に、関係するすべての機関と合意された文書に基づいて作業を行っており、問題はないとの認識を示した。

●…関係の文書によると、2006年6月10日の地区行政長の決定により、伐採された木のあるエリアは道路用地に属することになった。2016年5月の文書では、クリル自然保護区は、イチイの木が生育していた保護区エリアで工事を実施することに同意し、許可を与えていた。2017年12月26日付けの別の文書では、サハリン州国家検査機関が「工事エリアにはロシア連邦レッドブックに載っている希少動植物はない」と記載していることも分かった。

●…これらの文書から法的には、請負業者の行動に不備はない。彼らの行動の合法性を確認する多数の文書が提出されている。一方、さまざまな許可文書に署名した地方自治体の対応には疑問が残る。

●…地区議会の議員はイチイの木が伐採された場所を視察した。そして、周辺地域を調べた後で、道路の反対側に「幸せの木」と同じくらいの樹齢の木を見つけた。トルード社の支店長は、新たに見つかったイチイの木の周辺を整備することを約束した。この整備は今年6月から7月にかけて実施するという。

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