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北方領土 洋上慰霊全7回が終了 今年で3年目 503人参加 

 【根室北方領土の元島民らが北方四島周辺の海域で船上から先祖を供養する「洋上慰霊」が21日、今年全7回の日程を終えた。最終回は強風で出港できず、根室市根室港に停泊するチャーター船「えとぴりか」で慰霊式を行った。今年は3年目で参加者が前年を119人上回る503人となり、最多を更新した。(北海道新聞デジタル2024/9/21)

 ロシアのウクライナ侵攻に伴う日ロ関係悪化で、墓参を含むビザなし渡航が中断しているための代替事業。千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌市)と北海道、北方領土問題対策協会(東京)が2022年から実施している。

 慰霊式には、国後島南コースに参加する予定だった元島民や行政関係者ら計66人が出席。元国後島民2世で、千島連盟の野潟龍彦副理事長(72)=根室市=は「洋上慰霊ではなく島に上陸し、墓参りをしたい。元島民にはもう日にちがない」と訴えた。

 今年は最も遠い択捉島に近づき先祖を弔うため船内泊のコースを新設したほか、下船後に参加者が語り合う懇親会を初めて開催した。( 先川ひとみ )

北方四島の先祖しのぶ 洋上慰霊全7回終了 最終日は強風、停泊中の船内で実施

 【根室北方領土の元島民らが海上から先祖をしのぶ「洋上慰霊」の最終回が21日、行われた。強風のため出港せず、根室港に停泊するチャーター船「えとぴりか」船内で慰霊式を行った。参加した66人は、四島に眠る故人に思いをはせた。(北海道新聞デジタル2024/9/21)

 参加者は根室港の待機場所で元島民2人による講話を聞き、午前11時半ごろ、チャーター船「えとぴりか」に乗船。船内で一人ずつ祭壇に花を手向けた。

 国後島出身の西舘トミエさん(87)=根室市=は孫とひ孫の4人で参加。西舘さんは「もう一度、孫やひ孫たちと一緒に島に行きたい。元気なうちに島が返ってきてほしい」と祭壇に手を合わせた。西舘さんのひ孫で、元島民4世の根室高校3年、近藤妃香さん(18)は「日ごろからひいおばあちゃんから島の暮らしについて聞いていた。いつか国後島にみんなで行きたい」と話した。

 洋上慰霊は千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)と北海道、北方領土問題対策協会(東京)の主催。全7回実施し、昨年より119人多い過去最多の503人が参加した。

( 先川ひとみ )