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北方領土 ことしの洋上慰霊終了も課題残る

北方領土の元島民などが船の上から先祖を供養することしの「洋上慰霊」は9月下旬までにすべての日程を終えましたが、悪天候などの影響で、予定どおりに実施できておらず、関係者からは「元島民だけでも島に行き、墓参できるようにしてほしい」という声が上がっています。「洋上慰霊」はロシアのウクライナ侵攻で北方領土との交流事業が見送られたことを受け北方墓参の代替案として2022年から行われていて、ことしで3年目を迎えます。ことしの洋上慰霊は7回予定され、1泊2日の日程で国後島北側の沖合で行う新しいコースも設けられたほか、新型コロナが感染症法上の「5類」に移行したことで参加の制限がなくなったため、元島民や2世などの参加者は300人を超え過去最多となりました。ただ、天候の都合で船が出港できなかったり、予定の慰霊ポイントにたどりつけずに帰港したりした回もあるなど、課題を残しています。こうした状況について国後島の元島民2世で千島歯舞諸島居住者連盟の野潟龍彦副理事長は「島に行けない今のやり方では厳しい。元島民の平均年齢が89歳となり、これ以上待つことできない。元島民だけでも島に行って墓参ができるようにしてほしい」と話していました。(NHK北海道 NEWS WEB 2024/9/30)