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択捉島・紗那—内岡を結ぶ2kmの遊歩道 アイヌの歴史と文化を象徴する4つのテーマゾーンを整備

クリル諸島(北方四島を含む千島列島)の「観光首都」として広く知られるようになった択捉島の中心地クリリスク(紗那)は、快適な都市環境「小さな町と歴史的集落」を創り出すための最優秀プロジェクトを競う全ロシアのコンテストで優勝した。この結果、クリル地区行政府は、住民に最も親しまれている憩いの場の1つであるオホーツク海沿岸の遊歩道を変革する「アイヌの秘密」プロジェクトの実施資金を受け取ることになった。「アイヌの秘密」プロジェクトは、クリリスク(紗那)とキトヴイ(内岡)を結ぶ 2kmの遊歩道に、古代アイヌの人々の歴史と文化を象徴する4つのテーマ別ゾーンを整備するもので、芸術作品や野外彫刻、装飾迷路など独特の雰囲気を醸し出す要素で飾られる。訪れた人は海沿いの道を歩きながら、解決しなければならない謎に満ちたテーマ別ゾーンを巡ることになる。各ゾーンには風よけや海を眺めながら快適にくつろげる場所、ユニークな装飾が施されたフォトゾーンなども整備される。関係者は「遊歩道の建設に先立って行われた遺跡調査で、アイヌの遺跡が見つかっている。今回のプロジェクトにより、新しい空間を創出できるだけでなく、文化遺産を未来の世代のために保存することもできる」と指摘する。「小さな町と歴史的集落」コンペティションはロシア大統領が提唱した「快適な都市環境の形成」プロジェクトの一環として行われ、サハリン州ではプロジェクト18 件に約17億ルーブル資金が割り当てられた。(sakh.online 2024/10/2)

遊歩道建設に先立って行われた遺跡調査(2019年)

完成した遊歩道(海側の細い道)

アイヌの歴史と文化を象徴するテーマゾーンの完成予想図