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もう一つの「材木岩」 国後島オキツウスの柱状節理

国後島の柱状節理はオホーツク海に面したストルブチャティ岬(材木岩)だけではない。島の反対側、太平洋側にもいくつか柱状節理が見られる場所がある。写真はヴァレンティーナ・テレホワさん撮影(「南クリルの観光」テレグラム2024/1/19)

国後島の柱状節理と言えば、オホーツク海側にある秩苅別の「材木岩」が有名だが、母親が生まれた植古丹の隣、オキツウスにも立派な柱状節理があった。昭和14年に撮られた写真を見ると、秩苅別に負けないくらいの威容を誇っていたが、地震津波の影響なのだろうか、今はこぢんまりとした感じがする。植古丹から植内にある高等科に通っていた母親は、この崖の裾を歩いて通っていた。潮が満ちると通学路が水没して危ないということで、村の青年団が総出でコンクリートの堤防を築いた。その基礎部分がかろうじて残っている。

植内より南へ八km、オキツウスの浜辺には柱状節理も見事な古期噴出岩が路上に高々と張り出して、旅する人もこの見事な象形に感嘆して一休みをよぎなくされる。材木岩と称し土地の名所である。昭和一四年六月撮影。「写真集 懐かしの千島」(国書刊行会1981年)より。

陸の道路はこの海崖の裾を通っている。「写真集 懐かしの千島」(国書刊行会1981年)より。

秩苅別の材木岩。西海岸の温泉地古丹消の北ウェンシリ岬の近く。高さは26m程度ではあるが、六角材を縦列にしたような柱状節理の見事な海崖がある。この石は護岸用石材として根室方面でも利用された。「写真集 懐かしの千島」(国書刊行会1981年)より。