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北方領土返還運動、光るアイデア 根室管内6高校の生徒 ステッカー配布やSNS活用

 【根室北方領土返還の署名を呼びかけた、根室管内6高校の生徒による11日の「高校生キャラバン」。学校の枠を越えた返還運動を目的にした今回の事業では、返還運動のマスコット「北方領土エリカちゃん」のスマートフォン用ステッカーを配布したほか、活動を交流サイト(SNS)で事前通知するなど、生徒発案のアイデアが発揮される場面が目立った。(北海道新聞根室版2024/1/19)

 「想像以上にスマホ用ステッカーが人気で驚いた」。参加者の一人、標津高2年の山中快斗さん(17)は、高校生の提案で実現した啓発グッズへの手応えをこう語った。

 ステッカーは、スマホと透明なケースの間にシールなどを挟む若者の流行に注目したアイデア。高校生自身がよりよい啓発方法を考える昨年10月のオンライン会議(振興局主催)で生徒が提案した。

 今回は、エリカちゃんのイラストのほか、北方領土の自然を切り取った写真など、4種類のデザインを計2千枚用意。会場の管内のスーパーや商業施設で、参加した高校生14人が「北方領土のステッカーも配布しています」と来店客に呼びかけて配った。

 SNSでキャラバンの巡回場所や日時を事前告知したのも高校生の発案だ。事前にキャラバンの活動を知った人も集まった。中標津高2年の筒井風安さん(16)は「地道な取り組みかもしれないが、1人でも多くの人に署名してもらうためには必要だと感じた」と語った。

 ほかにも、これまでさまざまな団体が全国で集めた署名数(9300万筆以上)や、北方四島の豊かな自然を紹介するパネルを設置するなど、高校生発案の注目を集める工夫が目立った。振興局北方領土対策課は「より若い世代に響く啓発を展開できるよう、積極的に高校生の意見を取り入れていきたい」としている。

 キャラバンは2チームに分かれ、羅臼町根室市からそれぞれスタート。ゴールはどちらも中標津町の商業施設で、計143キロを1日で回り、署名395筆を集めた。(川口大地)