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占守島で日本兵2人、ソ連兵7人の遺体発見 羽生少佐の認識票など発掘

第二次大戦で戦死したソ連兵の遺骨を収集している「ロシア捜索運動」サハリン支部の捜索隊が北クリルのシュムシュ島(占守島)で行った4週間にわたる調査でソ連兵士7人と日本兵4人の遺体と遺留品を発見した。このうち、日本軍の戦車「チハ」のそばに掘られていた塹壕からソ連兵2人と日本兵2人の遺体が見つかった。日本兵の1人は認識票を所持しており、池田末男大佐が率いた戦車第11連隊の「丹生勝丈少佐」と読み取れた。日本側資料によると、羽生少佐は指揮班長で、戦闘中に戦車の砲塔で銃弾に倒れたという。日本の戦車が残る場所では、ソ連兵が手りゅう弾を持って戦車の下に身を投げ、砲塔のハッチに投げ込むなど白兵戦が展開された。調査隊はこのエリアを 1 メートルごとにチェックして、戦死したすべてのソ連兵を見つけようとしている。また上陸地点の海岸も調査され、塹壕の1つで、多数のソ連製の鋼製ヘルメット、軍靴、歩兵用シャベルなどが見つかった。シュムシュの戦いは、日ソ戦争でソ連軍が日本側よりも多くの死傷者を出した唯一の作戦であり、これまでのところ、すべての死んだ兵士の遺体が埋葬されているわけではない。(サハリン・インフォ2022/7/29)