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「エトロフ・ウイルス」一度訪ねたら虜になり、感染が広がる

 ウラジオストクのジャーナリストで写真家のマリーナ・ポジコさんが、色丹島択捉島で無料診療を行ったボランティア医師団に同行して、6年ぶりに択捉島を訪れた。色丹島択捉島とはどのように変わったのか聞いた。

 クリル諸島へのアクセスと料金は依然として大きな問題だ。ロシア人すべてに余裕があるわけではない。観光地として注目される択捉島では、観光シーズンが始まる前にチケットは売り切れている。ここは特別な場所で、手つかずの自然を守ってきたから。

 色丹島のお気に入りの場所は、ソルダツカヤ湾と高さ412mのシコタン山(斜古丹山)。クラボザボツコエ(穴澗)村には1mも舗装道路がないのに、なぜか安心感、安全、快適な感覚がある。クマがいないので観光客は自由に歩き、最も美しい場所にテントを張ることが出来る。開発が進んでおり、学校や文化センターが建ち、大きなスポーツ施設も出来た。しかし、それらは地元住民のための施設。択捉島では観光客のために、例えばバランスキー火山(指臼山)の麓にはホテル、カフェ、タクシー、温泉施設がある。そこまで行って体験するのは高くつくが、それだけ価値が十分にある。医療ボランティアで来島している医師たちは「エトロフ・ウイルスに感染したみたい」という表現をする。島の人々を助けるために来ている医師たちが、逆に択捉島の虜になり感染してしまう。そして彼らの家族や友人たちに感染が広がっていき、かくして択捉島ファンは拡大していく。(サハリン・インフォ2022/5/17)

以上3点は色丹島