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サケを巡る争い サハリンVSカムチャツカ サケ漁ルール策定に向け合同作業部会設置へ

サハリン州とカムチャツカ地方が北クリル海域でのサケ漁を巡って対立している問題で、カムチャツカ地方のソロドフ知事は、太平洋系サケの漁業に関する明確なルールを策定するため、両地域合同の作業部会を設置することで合意したと語った。カムチャツカ地方政府によると、以前は回遊するサケの漁獲に関する規制があったが、2014年以降サハリン州によって破棄されたという。カムチャツカ側は、禁止されている流し網を使った違法漁業が行われていると指摘、この海域を管轄する国境警備隊が活発な取り締まりを行っている。ソロドフ知事は「このゾーンで明確な漁業規則を策定するための作業部会設置について、サハリン州のリマレンコ知事と合意した」と話す。カムチャツカ側は、サハリンの漁業会社は6月中旬から8月31日までクリル諸島北部で漁業を行っている。ちょうどこの時期は西カムチャツカ系のマスノスケ、ベニザケ、シロザケの移動時期と重なっており、カムチャツカの漁業者は自分たちの資源が奪われていると考えている。一方、サハリンの漁業者は「サケを自分のものと考えるのは間違っている。国家の資源だ。サハリンの漁業者はこの海域での漁獲量が少ないと考えている。漁獲可能量のわずか5%に過ぎない」と訴える。(サハリン・クリル通信2020/9/28)

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